娘がでかける歓び、帰ってくる歓び

思いもかけないショートステイの長さ

日本では長さは異なりますが、年末年始と5月と8月に一般的には長期休暇があります。

この時には普段離れている家族が集まります。

遠く離れて暮らしている孫がお爺ちゃん、お祖母ちゃんのところに来るときには、

「孫が来る歓び、孫が帰る歓び」と巷間よく話題にされます。

普段身近で接する孫を住んでいる駅まで迎えに行って抱きしめる歓びは祖父母にとって、また孫にとって代えがたい歓喜の時でありましょう。

 ご馳走を作ったり、本を読んであげたり、近くに買い物に一緒に外出したりと、してあげたかったことをあれもこれもと続けます。

 しかしながら、3日もすると、一緒になって行動するので気を張り続けて、精神も体も疲れてきて、心のどこかに、落ち着いた日々が戻ることを、羨望する心が生まれてきます。

 友達とランチに行ったり、コンサートに出かけたいなという思いが浮かび上がってくるのです。

 娘麻帆は40歳で社会福祉法人遠江学園ひくまのの就労継続支援B型の作業所に週5日通っております。そしてひと月に10日連続して聖隷おおぞら療育センターの短期入所を利用しております。おおぞら療育センターのショートステイが始まった時は、2~3日から始まったのですが、スタッフが増え、建物も増えたためか、現在ではひと月の3分の1をお預けしております。

 両親は若いつもりでも古希を超えて体力的にも落ちてきております。食事、入浴、排せつ等の完全介護を四六時中行うことには無理が来ております。

この娘のいない時には、映画にもコンサートにも外食にもゆっくり出かけることができます。でも預けて一週間を過ぎると、娘の居ない寂しさに耐えられなくなってきます。この寂しさはこの10日間のショートステイを経験するまでは決して感じなかったことでした。

自宅に帰ってきたら、どこへ親子で出かけようか、そして美味しいものを食べようかと娘の留守中に思案しております。

 地域によってショートステイの実施の仕方を異なってくるとは思いますが、是非地域の福祉課に相談して、親の命の洗濯をしてください。そして心にゆとりをもって彼女に接してあげてください。娘にとっても家庭以外の新しい世界の体験は重要なことと思います。