自分の子供と長生きの競争 

平群じゅん(仮名) レット患者の親

日本レット症候群協会より、会員のレット患者の平均年齢が退会された方を含めて29歳になっているということを教えて頂きました。

まだまだデータ数は少ないでしょうが、全国のレット患者の平均年齢の平均値に近いと思われます。

日本人の平均年齢が48.4歳ですのでレット患者の60歳以上の方は極めて少数と推測されます。冷静な分析をしますと、健常な方と較べると長生き出来ていないことと思われます。

下記に発達障がい者と知的障がい者の寿命はという資料が載っています。

是非一読していただきたいと思います。

私の子供は女の子ですが、なんとしても親は娘より長生きするんだと3歳の時にレット症候群と診断された時より思っています。

確かに昭和の時代と違って、親亡き後もレット患者がいろんな福祉援助を受けながら、生きながらえることの可能性は大きなものとなっています。ただし、我が子を看取ってから、親も天に召されたいものです。

サイコセラピー研究所は以下の研究発表をしています。

発達障害者、知的障害者の寿命の実際は

発達障害者や知的障害者を対象とした直接的な平均寿命のデータはありませんが、関連のデータからある程度の予測をすることはできます。

日本全体の平均寿命は男性80歳、女性87歳

平成28年の簡易生命表によると、男性の平均寿命は80.98歳、女性の平均寿命は87.14歳す。

人生80年の時代、というより女性にとっては90年の時代を迎えようとしていますが、この平均寿命を基準に発達障害者と知的障害者の平均寿命をみていくことにします。

65歳以上の知的障害者は9%

厚労省の「障害保健福祉施策の動向等平成26年」にこんなデータがありました。これは身体障害者、知的障害者、精神障害者を年齢別にみたものです。

●身体障害者⇒65歳未満31% 65歳以上69%

●知的障害者⇒65歳未満91% 65歳以上9%

●精神障害者⇒65歳未満64% 65歳以上34%

65歳以上の知的障害者の割合が突出して低くなっていることがわかります。65歳以上を生きぬくのは10%未満です。精神障害者の比率も、身体障害者にかなり低くなっています。

様々な負荷を負って生きる人たち

冒頭に述べたように日本には、発達障害者と知的障害者を対象とした直接的な平均寿命のデータはありません。厚労省のデータからは、知的障害者と発達障害者たちの平均寿命が健常者に比べてかなり低いことは、推測できます。

その原因については後述しますが、要約すれば、知的障害者は、さまざまな負荷を抱えて生きていて、そのことによって心身がすり減り、命を縮めているということになりそうです。

 知的障害がもたらす日々の困難

一般的に知的障害を持つ人は、障害を持ってない人が普通に行えることができません。また、常識的な感じ方、考え方も異なっています。「このため、日常生活はもとより社会生活に支障をきたしてしまいます。

その結果、さまざま種類の負荷を背負って生きています。

まわりに適応できないことによるストレス

障害を抱えているとまわりから、さまざまなストレスを受けることになります。

このストレスが精神疾患などの二次障害を誘発し、心身にボディーブローのようなダメージを与え、寿命が削り取られていくと考えられています。

ストレスが様々な精神疾患を誘発します。

このほか、知的障害の人は、事故、服薬による副作用なども平均寿命にマイナスな影響を与えていると考えられています。

なお、高齢の知的障害者は、街中でなかなか見当たらないということを理由に、平均寿命の短さを説明するむきもあります。しかし、これは知的障害者の多くが施設で暮らしているということによるもので、この事実で平均寿命の短さを説明するには無理があります。

より長生きするためには

知的障害の人の寿命が健常者に比べると短いのは事実のようです。しかし、医療技術の向上や、効果のある薬も増えたことで、昔に比べると極端に寿命が短くなるということはないようです。暮らし方次第では、より長生きすることも可能です。

よりストレスのない環境を作る

すでにみてきたように、寿命を縮めている元凶はストレスです。いかにストレスの少ない生活環境を確保するかがポイントになります。

このことによって、心身のエネルギーが高まれば、当然、長生きにつながります。

日頃のケアで健康的に長生きできる可能性が増える

医療技術の進歩と国の福祉政策の整備で、発達障害者や知的障害者への支援サービスが充実してきています。統計こそないものの、昔にくらべると平均寿命は確実に伸びているものと予測されます。

諦めることなく、前向きに考え、身近な日ごろのケアを怠らず、支え合って暮らしていくようにしてほしいと思います。