娘たちのグループホームへの入居

娘たちのグループホームへの入居

我が櫻井家の双子のレット姫、珠希と瑞希は平成11年2月5日(双子の日)生まれ、今年で23歳になりました。
レット症候群と診断されたのは3歳の時、東京都小平市にある国立精神・神経医療研究センター病院(当時は国立精神・神経センター武蔵病院)の小児神経科で遺伝子検査を受けて判明しました。
こちらの病院にはずっとかかりつけ医としてお世話になっています。

珠希と瑞希が成人を迎えた20歳の頃、二人の生活の面倒を母である私が一生見ることに不安を感じ、また私の身に何かあってからでは遅いと考え、グループホームへの入居を検討し始めました。

ちょうどその頃、自宅からほど近い東京都武蔵野市にグループホームが新設されるという情報があり、その法人主催の説明会に参加し入居の申し込みをしました。

グループホームの申し込みとほぼ同時期にコロナ禍が始まり、予定されていた面談などのスケジュールがなかなか進まず、数回のZoomでのオンライン面談や自宅訪問調査などを経て、どうにか入居の内定をいただきました。
あとから聞いた話ですが、定員に対して10倍近くの申し込みがあったそうです。
入居の内定が決まってからは、居室の壁紙やカーテンの色、床の素材などを選んだり、また内装工事が終わってからベッドや家具の購入および搬入をしたり、必要な小物や衣類などの購入および運搬など、とても慌ただしい日々でした。

二人分ということもありますが、下に弟と妹もいて、4人の子どもたちの面倒を見ながらの準備期間はかなりバタバタでした。
コロナの影響で入居時期も当初の予定より3ヶ月ほど遅れましたが、令和3年4月より無事に入居することができました。
入居一番乗りでしたので、最初の2ヶ月くらいは二人の貸し切り状態で、おかげさまでスタッフの皆さんもわりと早く慣れてくださり助かりました。

入居後の生活については、平日の日中は生活介護施設に通所し、週末はヘルパーさんとお出かけしたり、時々は自宅に帰ってきたりしています。また歯科などの定期通院は毎回、私が車で送迎をして付き添っています。以前はてんかん治療のための服薬があったのでその通院もありましたが、現在では二人とも完治し服薬はありませんので、今のところ定期通院は歯科のみです。そしてコロナ禍ということもあり、急な発熱があった場合は迎えに行き、受診してPCR検査の陰性が判明するまで帰宅して待機していなくてはなりません。一度、瑞希が発熱して陽性者となったことがあり、発熱の翌日には解熱したものの、10日間自宅療養しなければならず、こんなに元気な子を10日間も家の中に閉じ込めているのは本当にかわいそうでした。さらには毎日介助をしていた私は必然的に濃厚接触者扱いとなり、瑞希の療養が明けたあとも7日間の自宅隔離が必要でしたので、ここはもう気持ちを切り替えて家の中の断捨離と模様替えを楽しみました。

二人がグループホームに入居してから約一年が経ち、我が家の生活も一変しましたが、慌ただしさは以前のままです。そしてこれからの二人の人生においてはまだまだ課題がたくさんあり、考えたり決めたり選択したりしなければならないことが山積みです。でもそれは二人の親になったからこそできる経験であり、やがては財産となり宝物となるでしょう。まあそんなことより、私は子どもたちが楽しく幸せでいてくれたらそれで十分なのですけどね。